HOME > 50年の時を超えてお祖父様からお孫様へ
お直しはバストまわり、ウエストまわり、肩幅、袖幅を詰めて肩パットを無くし、袖の穴開きを一部修繕しました。
なにより着丈がちょうど良かったので腰ポケットを移動する等の大規模な修理にはならず、本日無事に納めることが出来ました。
写真では伝わりにくいかもしれませんが、今では中々見かけない淡いグリーンのグレンプレイドにに赤のペーンが入っているビンテージ感漂う生地です。とても打ち込みのしっかりしたハリコシのある生地なので長い年月を経てもくたびれていないです。イタリアの高番手のツヤのある柔らかい生地も良いですが、長く着れる物持ちが良いのはやはりこういった生地です。改めて再認識しました。上衿と下衿をつなぐ間の縫い目線"ゴージライン"も今より低く時代を感じます。
亡くなったお祖父様の着ていたジャケットを着たいとお孫様(女性の方)からご連絡をいただきました。
ジャケットの内側の店マークに電話番号が書いてあり、そこに連絡したら玉屋さんだったと言われとても驚きました。何故なら今の店マークには電話番号は記載がないからです。
お預かりしたジャケットの店マークを見るとおよそ50年ぐらい前に使っていたものと判明しました。
当時の店は木造の建物で、私の曽祖父と祖父が主に2人で裁断から全てを手作業でやっていて曽祖母と祖母がボタン付けなどを他の手伝いをやっていた時代です。