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【新しいTAMAYAのスーツB】“見た目(ディテール)だけじゃないナポリ仕立て“

【新しいTAMAYAのスーツB】“見た目(ディテール)だけじゃないナポリ仕立て“

NEW TAMAYA SUIT B
“見た目(ディテール)だけじゃないナポリ仕立て“

本日も新モデルの魅力をご紹介します!
第3弾なのでよりマニアックな内容になっておりますがご覧になっていただけると嬉しいです!

“肩イセ”

肩イセとはスーツの前の部分(前見頃)とスーツの背中側の部分(後ろ見頃)の肩を縫製する際に、イセ込んで縫い合わせることを言い、ジャケットの前肩の膨らみ(ゆとり)を作る工程です。長さの違う前見頃と後ろ見頃(後ろの方が長い)を縫い合わせる際に、アイロンでクセをとりながら縫い合わせるので、自然と前方へカーブし、肩の前側にゆとりが生まれます。

従来より展開しております縫製ラインでも当然肩イセを入れておりますが、新規ファクトリーのオプション仕様では、その”イセ量”を最大限まで増やし肩の厚みを補いつつより前肩になるよう処理します。
人間の体は構造上、誰しも肩が前に出ており、日本人はその特徴がより顕著に出ています。肩イセを増やして前肩にすることで、より肩周りに違和感無くフィットをして着心地が格段に良くなります。また、肩の前側に十分なゆとりがあると、手を前に出した際にも引っ掛かりが少ない、後ろ襟が浮いてしまうこともありません。

私も実はかなりの前肩の持ち主で、実際に今着ているスーツにも完全に満足できているわけではないのですが、新ファクトリーの上衣を着用した時のあの肩にバチっとハマるあの感覚は今でも忘れられません!!

“袖イセ”

袖イセとはアームホールの一周の長さより大きな円の袖を縮めながら取り付ける際にできるギャザーを言います。その縮めている分がイセ量となり、腕を動かす運動量の増加につながります。こちらの仕様も当然、現在展開している縫製ラインでもできることではありますが、分量の多さであったりギャザーの美しさは、更にご満足いただけるのではないしょうか。
基本的にアームホールは小さい方が腕が動かしやすくなり、袖イセを増やすことで肩廻りに余裕ができ、可動域が広がり着心地が非常に良くなります。

“フルハンドステッチ“

スーツの多くはAMFステッチミシンと呼ばれる”手縫い風”のステッチを施すことができるミシンでステッチを入れておりますが、新規ファクトリーの場合、オプション料金をいただきますが正真正銘フルハンドにてステッチを施すことが可能です。より手の温もりを感じることができ、雰囲気も印象も良いスーツとなります。ダブルステッチを入れることも可能ですので、ナポリの空気を纏ったようなスーツが欲しい方にも最適です。
またステッチに使用される糸は、ミシンのステッチより太い糸(30番手)ですので、よりはっきりくっきりとしたステッチとなりますので、こだわりのある方には大きな魅力となるはずです。

マニカカミーチャ(シャツ袖)やダブルステッチ、バルカポケットなどナポリ仕立てを連想させるディテールは数多くありますが、新モデル(新ファクトリー)におけるナポリ仕立てとは人の身体の動きに重点を置いた着心地の良さと、動きの中でも美しさのある作りだと考えています。

さて少々マニアックすぎた新モデルを紹介する第三弾はひとまずこの辺りで。第4弾へと続きますので乞うご期待ください!

Tamaya KUNITACHI